事務未経験者が事務職に応募する際に思うことのひとつに「何か資格があれば採用されやすくなるのではないか」という考えがありますよね。
しかし、実際には、「この資格さえあれば簡単に事務職に採用される」という資格はありません。
なぜかというと、まず、一般事務などをやるのに資格は必須ではありませんし、事務に関連する資格では弁護士や医師、公認会計士などのような難関資格、国家資格というものがほとんど無いからです。
さらに事務に関わる資格は、ある程度努力すれば独学でも取得できるような資格が多いので、そういった比較的簡単に合格できる資格を取得しても特別有利にはならないということです。
そのため求人票でも資格に関する応募条件は無いところが多いです。
ただし、事務職でも貿易事務は英語の資格がほぼ必須で「TOEIC〇〇点以上」などの応募条件を課している企業も少なくありません。
また、経理事務も日商簿記3級～2級に合格していることが応募条件になっていることが多い印象です。
採用の可能性を1％でも上げるために資格を取る
では、資格を取得する必要が無いのかというとそうではありません。
無いよりかはあったほうがいいのは確かです。
資格を取って一発逆転は無理でも、資格を取ることで自分自身の市場価値を底上げすることはできます。
また、資格があれば自己アピールもしやすくなります。
たとえば、「パソコンはそこそこできます」よりも「ワード、エクセルに関する○○という資格に合格しています」と言った方が、どの程度のパソコンレベルなのかが相手にわかりやすいですよね。
さらに、採用の当落線上に「資格は何もなしの人」と「ワード、エクセルに関する資格に合格している人」がいた場合、当然「ワード、エクセルに関する資格に合格している人」の方が有利になります。
事務に採用されるかどうかは、年齢（若さ）、事務経験の有無、学歴、正社員経験の有無、本人の性格・適正、資格の有無、などの総合力で判断されます。
資格を含めてそういったものの総合力での勝負になるわけですから、少しでも総合力を高めるために資格は取っておいたほうがいいということになります。
年齢は自分ではどうにもなりませんし、事務経験を積むのには時間がかかりますが、資格はそれほど時間をかけずに合格できるものもあります。
時間に余裕があれば何か資格を取って自分の市場価値の底上げをしておきましょう。
繰り返しになりますが「この資格さえ持っていれば事務採用なんて楽勝」という資格はないということを覚えておいてください。
採用の可能性を1％でも上げるために資格を取るのです。
事務職志望者がこれから何か資格を取る場合には、自分がすでに取得している資格やこれから受けようと思っている会社の募集要項、自分の適性などを考えて、必要だと思うものだけをすみやかに取得し、なるべく早く事務職に応募してみるのがおすすめです。
例）経理事務が志望なら、まずは日商簿記3級を目標にする
例）求人票に「PC操作になれている方」と書かれていたが自信が無い ⇒ ワード、エクセルに関する資格合格を目標にする
一般事務希望者におすすめの資格
マイクロソフトオフィス スペシャリスト（MOS）
今の時代に事務職に就くには、PCを操作できることが絶対条件の一つと言えます。
その中でも多くの企業で使われている文書作成ソフトWord（ワード）、表計算ソフトExcel（エクセル）などに関する資格があればそれらのスキルを証明できるので、事務を目指す人にはおすすめです。
こういった資格はいわゆる民間資格なので、いろいろなものがありますが、一番知名度が高いのが「マイクロソフトオフィス スペシャリスト」でしょう。
「MOS（モス）」と呼ばれることも多いです。
MOSのようなWord、Excelに関する資格は一般事務以外でも役に立ちますし、「PCがあまり得意ではない」という人はPC操作の練習にもなりますので、ぜひ合格しておきたいところです。
Excelのスキルが付くと具体的にどのようなことができるようになるのか、下記サイトなどが参考になります。
秘書検定
簡単に言うと社会人としての常識やマナーに関する資格です。
合格できれば、正しい言葉遣いやビジネスでの電話対応、メール対応などの技能が身についていることも証明でき、秘書検定の勉強がそのまま就職・転職時の面接対策になるメリットもあります。
この秘書検定も一般事務以外でも役に立つ資格です。
一般事務に関してはとりあえずこのふたつくらいあれば十分だと思います。
他にも日商簿記など、合格していれば一般事務でも採用に有利になる資格はありますが、既に書いたように資格さえあれば簡単に事務に就けるというわけではないので、一般事務志望の人がこれから資格を取るのであればまずはこのふたつを目標にしてみるといいと思います。
